バイクの車検が近づくと、気になるのはやっぱり費用のことだ。250ccを超えるバイクには車検が義務付けられているが、ディーラーに出すと数万円、場合によっては10万円を超えることもある。「もっと安くできないのか」「そもそも何にお金がかかっているのか」と疑問を持つのは当然のことだろう。実は、車検の費用構造を正しく理解するだけで、無駄な出費を大幅にカットできる。この記事では、バイク車検にかかる費用の相場と内訳を丁寧に解説したうえで、実際に費用を安くするための具体的な方法を5つ紹介していく。あなたの次の車検で、確実に役立つ内容になっているはずだ。
- バイク車検の法定費用(重量税・自賠責・検査手数料)の正確な内訳と金額
- ディーラー・用品店・整備工場ごとの車検費用の違いと特徴
- ユーザー車検で法定費用だけに抑える方法と注意点
- 車検前の準備で追加費用を防ぐ具体的なコツ
バイク車検の費用相場と内訳を徹底解説する
バイクの車検費用は、大きく分けて「法定費用」と「車検基本料(整備費用・代行手数料)」の2つで構成されている。法定費用は国が定めた金額なので、どこで車検を受けても変わらない。一方、車検基本料は依頼先によって大きな差が出る。まずはこの構造を正確に理解しておこう。

バイク車検にかかる法定費用の内訳
法定費用とは、バイクの車検を通すために国や保険会社に支払う費用のことだ。これはユーザー車検でもディーラー車検でも金額が変わらない、車検費用の「固定部分」にあたる。2025年〜2026年時点でのバイク(250cc超)の法定費用は以下のとおりだ。
| 法定費用の項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 自動車重量税(2年分) | 3,800円 | 新車登録から12年以内の場合 |
| 自動車重量税(2年分) | 4,600円 | 13年超〜18年未満の場合 |
| 自動車重量税(2年分) | 5,000円 | 18年超の場合 |
| 自賠責保険料(24ヶ月) | 8,760円 | 250cc超のバイク一律 |
| 検査手数料(印紙代) | 1,800円 | 継続検査・持ち込みの場合 |
つまり、新車登録から12年以内のバイクなら、法定費用の合計は14,360円になる。これが車検を通すために最低限かかるお金だ。ディーラーに頼もうが自分で陸運局に持ち込もうが、この金額は1円も変わらない。
注目してほしいのは自動車重量税の経年による増額だ。12年以内なら3,800円だが、13年を超えると4,600円、18年を超えると5,000円まで上がる。古いバイクほど法定費用も高くなるということだ。長く乗り続けるバイクであれば、この増額分も維持費として計算に入れておく必要がある。
また、自賠責保険料は定期的に改定される。2023年4月の改定では引き下げが行われたが、今後は引き上げられる可能性もゼロではない。車検の時期が近づいたら、最新の保険料を確認しておくと安心だ。検査手数料についても、2026年4月からは若干の値上げが予定されているので覚えておこう。
ディーラー車検の費用相場と作業内容
バイクの車検方法としてもっとも一般的なのが、ディーラー(メーカー正規販売店)への依頼だ。ディーラー車検の費用相場は、法定費用込みで4万〜7万円程度になる。消耗品の交換が重なると8万〜10万円を超えるケースも珍しくない。
ディーラー車検の費用内訳を具体的に見てみよう。
| 費用項目 | 金額の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 法定費用 | 14,360円〜 | 重量税+自賠責+検査手数料 |
| 車検基本料(点検・整備) | 15,000円〜25,000円 | 24ヶ月法定点検+検査ライン調整 |
| 代行手数料 | 10,000円〜18,000円 | 陸運局への持ち込み代行 |
| 消耗品交換(発生時) | 5,000円〜50,000円以上 | タイヤ・ブレーキパッド・オイル等 |
ディーラー車検の特徴は、50項目以上の徹底した点検を行うことだ。エンジンオイルの状態、ブレーキパッドの残量、タイヤの残り溝、灯火類の動作確認、チェーンの張り具合、各部のボルトの締め付けトルクまで細かくチェックされる。メーカーの整備基準に基づいて純正部品を使うため、整備の品質は高い。
さらに、ディーラーで車検を受けると整備記録がメーカーのデータベースに残るため、将来バイクを売却するときに「正規ディーラーで整備を受けていた車両」としてプラス評価を受けやすい。これはリセールバリューに直結するメリットだ。
一方で、代行手数料と整備工賃がほかの選択肢に比べて割高になりやすい。特にホンダドリームやヤマハYSP、カワサキプラザなどの正規ディーラーは、工賃の単価(レバーレート)が高めに設定されている。安さよりも安心感と品質を重視するなら、ディーラー車検は有力な選択肢だ。
用品店や整備工場に頼む場合の費用と違い
ディーラー以外にも、バイク用品店(ナップス、2りんかんなど)や個人経営の整備工場に車検を依頼する方法がある。これらの業者は、ディーラーより1万〜2万円ほど安いのが一般的だ。
| 依頼先 | 車検総額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ディーラー | 40,000円〜70,000円 | 純正部品使用、メーカー基準の整備 |
| バイク用品店 | 30,000円〜55,000円 | 社外部品も使用、比較的リーズナブル |
| 個人整備工場 | 25,000円〜50,000円 | 工賃が安い、店主の腕に依存 |
| ユーザー車検 | 14,360円〜 | 法定費用のみ、自分で全て行う |
バイク用品店の車検サービスは、近年かなり充実してきている。たとえば2りんかんでは、国産バイクの基本車検料金が法定費用込みで約4万円台からとなっており、代行手数料も1万円前後に抑えられている。大型バイク用品店のナップスも同様のサービスを提供しており、ディーラーと比較して1万〜2万円は安いことが多い。
個人経営の整備工場は、さらに工賃が安い傾向にある。レバーレート(1時間あたりの工賃単価)がディーラーの7,000円〜9,000円に対して、個人工場は5,000円〜7,000円程度に設定されていることが多い。ただし、整備の品質は店主やメカニックの技量に大きく左右されるため、信頼できる店を見つけることが前提になる。
用品店や整備工場を選ぶ際のポイントは、「認証工場」または「指定工場」の資格を持っているかどうかだ。認証工場は国から分解整備の許可を受けた工場で、指定工場はさらに車検の検査ラインを自社内に持っている工場だ。指定工場なら陸運局に持ち込まずに車検を完了できるため、日数も短縮できるメリットがある。
知り合いのバイク仲間や地元のバイクショップの口コミ情報も大切だ。ネットの評判だけでなく、実際にそのショップで車検を受けた人の声を聞くのが一番確実な方法だろう。

車検の有効期間と受けるタイミングの注意点
バイクの車検の有効期間は、新車購入時の初回が3年間、2回目以降は2年ごとだ。これは排気量が250ccを超えるすべてのバイクに共通するルールで、軽二輪(125cc超〜250cc以下)には車検の義務がない。
車検の有効期間の一覧
| 区分 | 初回車検 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| 小型二輪(250cc超) | 新車登録から3年後 | 2年ごと |
| 軽二輪(125cc超〜250cc以下) | 車検なし | 車検なし |
| 原付(125cc以下) | 車検なし | 車検なし |
ここで知っておきたいのが、車検は満了日の1ヶ月前から受けられるということだ。たとえば車検の有効期限が2026年6月15日なら、2026年5月15日から受けることができる。しかも、1ヶ月前に受けても有効期限が前倒しになることはなく、次の満了日は2028年6月15日のままだ。
つまり、車検満了日の1ヶ月前に受けるのが最もお得なタイミングということになる。早めに受けすぎると有効期間を損するし、ギリギリに受けようとすると予約が埋まっていて間に合わないリスクがある。満了日の1ヶ月前を目安に予約を入れるのがベストだ。
また、車検の満了日は車検証に記載されているほか、バイクのフロントフォーク付近に貼られている検査標章(ステッカー)でも確認できる。うっかり車検切れにならないよう、スマホのカレンダーにリマインダーを設定しておくのがおすすめだ。特に冬場に乗らないバイクは、春先に「気づいたら切れていた」というケースが多いので注意してほしい。
ちなみに、車検は有効期限の1ヶ月以上前にも受けること自体は可能だが、その場合は受けた日から2年間が有効期間になってしまう。つまり残りの有効期間が無駄になるので、よほどの理由がない限り避けたほうがいい。
もうひとつ覚えておきたいのが、車検と法定点検(24ヶ月点検)は別物だということだ。車検は「公道を走行するための最低限の保安基準を満たしているかどうか」を検査するもので、バイクのコンディションを保証するものではない。一方、24ヶ月点検はエンジンやブレーキ、足回りなどを総合的にチェックする予防整備的な意味合いが強い。車検に通ったからといって安心するのではなく、定期点検もセットで考えることが、長くバイクに乗り続けるための秘訣だ。
車検切れバイクを再車検する場合の追加費用
車検の有効期限が切れたバイクでも、車検を受け直すこと自体は可能だ。ただし、車検切れのバイクは公道を走ることができないため、陸運局まで運ぶための手段を別途用意する必要がある。ここで発生する追加費用が意外と大きい。
車検切れバイクを陸運局まで運ぶ方法
| 運搬方法 | 費用の目安 | メリット・デメリット |
|---|---|---|
| 仮ナンバーを取得して自走 | 750円+自賠責保険料 | 最安だが手続きが必要 |
| バイク輸送業者に依頼 | 10,000円〜30,000円 | 手軽だが費用が高い |
| トランポ(トラック)で搬送 | 0円(自前の場合) | トラックがあれば最安 |
| 業者に引き取り車検を依頼 | 5,000円〜15,000円(引き取り料) | すべて任せられる |
もっとも一般的な方法は、仮ナンバー(臨時運行許可番号標)を取得して自走することだ。仮ナンバーの申請は市区町村の役所で行い、手数料は750円程度。ただし、自賠責保険に加入していることが申請の条件になる。車検切れのバイクは自賠責保険も切れていることが多いので、まず保険の再加入手続きが必要だ。
仮ナンバーの申請に必要なものは以下のとおりだ。
- 車検証(自動車検査証)
- 自賠責保険証明書(有効期限内のもの)
- 運転免許証などの身分証明書
- 自動車臨時運行許可申請書(窓口に用意されている)
- 手数料750円
仮ナンバーの有効期間は原則として最長5日間で、使用できる経路も申請時に届け出た「自宅から陸運局まで」のルートに限られる。寄り道や回り道は認められないので注意しよう。
また、車検切れの期間中に自賠責保険も切れていた場合、仮ナンバー申請の前に自賠責保険の再加入が必要になる。保険代理店や損害保険会社の窓口で手続きできるが、この際に支払う自賠責保険料は車検時の24ヶ月分と同じ金額になる。つまり、仮ナンバーのためだけに短期間の保険に入るということはできない。
車検切れの状態で公道を走行すると、道路運送車両法違反で6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。さらに自賠責保険も切れていた場合は、自動車損害賠償保障法違反が加わり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。違反点数も合計12点で一発免停だ。絶対に無保険・無車検で走ってはいけない。
詳しくは国土交通省の自動車重量税情報を参考にしてください。
バイクの車検費用を安くする5つの具体的な方法
法定費用はどうしても変えられないが、車検基本料や消耗品の費用は工夫次第で大幅に節約できる。ここからは、実際にバイクの車検費用を安くするための具体的な方法を5つ紹介していく。あなたの状況に合った方法を選んで、次の車検で実践してみてほしい。

ユーザー車検なら法定費用だけで通せる
車検費用をもっとも安く抑える方法は、ユーザー車検だ。これは業者に頼まず、自分で陸運局(運輸支局)にバイクを持ち込んで車検を受ける方法のことを指す。かかる費用は法定費用の14,360円のみ。ディーラー車検と比べると3万〜5万円の節約になる。
ユーザー車検の費用と業者車検の比較
| 項目 | ユーザー車検 | ディーラー車検 |
|---|---|---|
| 法定費用 | 14,360円 | 14,360円 |
| 整備費用 | 0円(自分で整備) | 15,000円〜25,000円 |
| 代行手数料 | 0円 | 10,000円〜18,000円 |
| 合計 | 14,360円 | 40,000円〜70,000円 |
ユーザー車検の流れはシンプルだ。まず国土交通省の「自動車検査インターネット予約システム」で検査の予約を取る。当日は必要書類を持って陸運局に行き、窓口で書類を提出したあと、検査ラインにバイクを通す。検査項目は外観検査、灯火類の確認、スピードメーターの誤差、ブレーキ検査、排気ガス検査、ヘッドライトの光軸検査などだ。
検査ラインの所要時間は30分〜1時間程度で、不合格になっても当日中なら追加費用なしで再検査を受けられる。ただし、1日の受験回数は3回までと決まっているので、あまりにも整備不良の状態で行くのはおすすめしない。
ユーザー車検のデメリットは、平日の日中しか受けられないことだ。陸運局の受付時間は原則として8:45〜11:45、13:00〜15:45で、土日祝日は休みだ。会社勤めの人は有給を取る必要がある。また、検査に落ちた場合の再整備も自分で行わなければならないため、最低限のメカニカルスキルと工具は必要だ。
初めてユーザー車検に挑戦する人は、事前に陸運局の近くにある「テスター屋」(予備検査場)を利用するのがおすすめだ。テスター屋では、光軸調整やスピードメーターの誤差チェックなど、本番の検査と同じ項目を事前に確認してもらえる。料金は1,500円〜3,000円程度で、これだけで不合格のリスクを大幅に下げられる。
事前の点検整備で追加費用を防ぐコツ
車検で費用がかさむ最大の原因は、検査時に発覚する不具合の修理費用だ。ブレーキパッドの摩耗、タイヤの溝不足、灯火類の球切れなど、車検時に指摘されてその場で交換すると、部品代も工賃も割高になりやすい。これを防ぐには、車検の1〜2ヶ月前に自分で点検しておくことが有効だ。
車検前にチェックすべき項目一覧
| チェック項目 | 合格基準の目安 | 自分でできるか |
|---|---|---|
| タイヤの残り溝 | 0.8mm以上(スリップサイン未到達) | 目視で確認可能 |
| ブレーキパッド残量 | 1mm以上 | 目視で確認可能 |
| ヘッドライト・ウインカー | 正常に点灯・点滅すること | 電球交換は容易 |
| ホーン(クラクション) | 正常に鳴ること | ボタンを押して確認 |
| マフラーの音量 | 94dB以下(近接排気騒音) | 社外マフラーは要注意 |
| ミラー | 左右とも装着されていること | 目視で確認 |
特に注意してほしいのがヘッドライトの光軸だ。車検の不合格理由でもっとも多いのがこの光軸のズレで、日常的な走行の振動で少しずつ狂ってくる。ヘッドライトの光軸は自分で調整するのが難しいため、不安があればテスター屋で事前に調整してもらおう。費用は1,500円〜2,500円程度で済む。
タイヤの溝が車検基準ギリギリの状態で業者に持ち込むと、「交換が必要です」と言われて高額なタイヤ交換費用を上乗せされることがある。事前に自分で確認し、交換が必要なら車検とは別のタイミングでネット通販+持ち込み交換を利用すると、タイヤ代を3割〜5割ほど節約できることが多い。
灯火類(ヘッドライト、テールランプ、ウインカー、ナンバー灯)の球切れも、車検当日に見つかると焦る原因になる。LED化しているバイクは球切れの心配が少ないが、ハロゲンバルブのバイクは予備の電球を持っておくと安心だ。電球1個なら数百円で済むので、車検前にまとめてチェックしておこう。
ブレーキフルードの変色も見落としがちなポイントだ。新品のブレーキフルードは透明〜淡い黄色だが、劣化すると茶色く濁ってくる。車検では直接の不合格理由にはならないが、整備士に「交換を推奨します」と言われて追加費用が発生するケースがある。自分で交換できれば、フルード代500円〜1,000円程度で済む作業だ。

車検前に消耗品を自分で交換して工賃を節約
車検費用のうち、意外と大きな割合を占めるのが消耗品の部品代と交換工賃だ。業者に任せると、部品代にマージンが乗り、さらに工賃も加算される。自分で交換できる消耗品は事前に済ませておくことで、車検時の費用を大幅にカットできる。
自分で交換できる消耗品と節約効果
| 消耗品 | 業者に依頼した場合 | 自分で交換した場合 | 節約額 |
|---|---|---|---|
| エンジンオイル交換 | 3,000円〜6,000円 | 1,500円〜3,000円(オイル代のみ) | 約1,500円〜3,000円 |
| ブレーキパッド交換 | 8,000円〜15,000円 | 2,000円〜5,000円(部品代のみ) | 約6,000円〜10,000円 |
| エアフィルター交換 | 3,000円〜5,000円 | 1,000円〜2,500円(部品代のみ) | 約2,000円〜2,500円 |
| チェーン清掃・注油 | 2,000円〜4,000円 | 500円〜1,000円(ケミカル代) | 約1,500円〜3,000円 |
| プラグ交換 | 3,000円〜6,000円 | 500円〜2,000円(プラグ代のみ) | 約2,500円〜4,000円 |
すべてを自分で行えば、合計で1万5,000円〜2万円以上の節約になる計算だ。特にブレーキパッドの交換は、業者に頼むと工賃だけで5,000円〜8,000円かかることが多いが、YouTubeで車種別の交換動画を見れば、工具さえあれば30分程度で完了する作業だ。
エンジンオイルの交換も、ドレンボルトを外してオイルを抜き、新しいオイルを規定量入れるだけのシンプルな作業だ。必要な工具はメガネレンチ1本とオイルジョッキ、廃油処理ボックスだけ。ネット通販でオイルを買えば、ホームセンターよりもさらに安く手に入ることが多い。
ただし、自分で交換する際には正しいトルク管理が重要だ。ドレンボルトの締めすぎでオイルパンのネジ山をなめてしまうと、修理費用が数万円に膨らむ。トルクレンチを使って規定トルクで締めることを徹底しよう。トルクレンチは3,000円〜5,000円で購入でき、一度買えば何年も使える工具だ。
チェーンの清掃と注油は、見た目の問題だけでなく車検の検査にも関わる。チェーンの伸びが規定値を超えていると整備不良を指摘される可能性がある。普段から定期的にメンテナンスしていれば、車検前に慌てて交換する必要はない。チェーン交換は工賃が高い作業なので、日常のメンテナンスで寿命を延ばすのが最大の節約術だ。
エアフィルターの交換は車種によって難易度が異なるが、ネイキッドタイプのバイクならタンクを外すだけでアクセスできることが多い。フルカウルのバイクはカウルの取り外しが必要になるため、少しハードルが上がる。自信がなければ無理に自分でやらず、工賃の安い整備工場に頼むのも賢い判断だ。
車検代行サービスの活用で手間と費用を両立
「ユーザー車検は不安だけど、ディーラーに出すほどの費用はかけたくない」という人におすすめなのが、車検代行サービスだ。車検代行とは、バイクの陸運局への持ち込みと検査の手続きを業者に代行してもらうサービスのことだ。
車検代行の費用構造
| 費用項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 法定費用 | 14,360円 |
| 代行手数料 | 10,000円〜20,000円 |
| 合計 | 24,360円〜34,360円 |
車検代行のポイントは、整備は含まれない(または最低限)という点だ。ディーラーや整備工場の車検は、法定24ヶ月点検+整備+検査がセットになっているのに対し、車検代行は基本的に「検査ラインに通すだけ」のサービスだ。つまり、整備は自分で事前に行い、検査の手続きだけをプロに任せるという使い方になる。
この方法の最大のメリットは、ユーザー車検の費用に近い金額で、検査のプロに任せられることだ。検査ラインの通し方に慣れた業者が代行するため、光軸の微調整やちょっとした不具合の対処もその場で対応してくれることが多い。初めて車検を受ける人や、平日に休みが取れない人にとっては、代行手数料1万〜2万円は十分に価値のある出費だろう。
車検代行サービスを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしよう。
- 代行手数料に含まれるサービス内容(引き取り・納車の有無)
- 不合格時の再検査費用が追加でかかるかどうか
- 事前の点検や最低限の整備を行ってくれるか
- 口コミや評判に問題がないか
注意したいのは、車検代行は「検査に通すこと」が目的であり、バイクの安全性を保証するものではないということだ。車検に通ったからといって、すべての部品が万全な状態であるとは限らない。車検代行を利用する場合でも、自分でしっかり点検・整備を行うか、別途整備を依頼することを強くおすすめする。安全はお金には代えられないのだから。
複数の業者から見積もりを取って比較する
バイクの車検費用を安くするための基本中の基本が、複数の業者から見積もりを取ることだ。同じバイクでも、依頼先によって車検費用は2万〜3万円も変わることがある。1社の見積もりだけで決めてしまうのは、もったいない話だ。
見積もりを取る際のコツは、必ず「総額」で比較することだ。業者によっては、基本料金を安く見せて、あとから「部品代」「調整費」「洗車代」などを上乗せしてくるケースがある。見積書をもらったら、法定費用、基本料金、代行手数料、整備費用、部品代のすべてが明記されているかを確認しよう。
見積もり比較のチェックポイント
| チェック項目 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 法定費用 | 全社一律のはずなので、金額に差があれば要確認 |
| 車検基本料 | 点検・整備の内容と工賃の内訳 |
| 代行手数料 | 引き取り・納車費用が含まれているか |
| 部品代 | 純正品か社外品か、マージンの有無 |
| 追加費用の有無 | 洗車代、書類作成費用、消費税の扱い |
見積もりは最低でも3社以上から取るのが理想だ。ディーラー1社、用品店1社、個人整備工場1社というように、異なるタイプの業者を比較すると、費用の幅を把握しやすい。最近はネットで車検見積もりを一括依頼できるサービスもあるので、活用してみるのもいいだろう。
また、見積もりを取ることで値引き交渉の材料にもなる。「他店ではこの金額でした」と伝えるだけで、代行手数料や工賃を割り引いてくれる業者は少なくない。特に個人経営のバイクショップは、常連客を増やしたいと考えているところが多いので、交渉に応じてもらいやすい傾向がある。
さらに、車検の時期によっても費用は変動する。年度末(2月〜3月)や大型連休前は車検の需要が集中するため、割引キャンペーンを実施している業者が少ない。逆に、閑散期(6月〜8月や11月〜1月)は割引や特典を用意している業者が増える。車検の有効期限に余裕があるなら、閑散期を狙って見積もりを取るとさらにお得になる可能性がある。
最後に忘れてはいけないのが、安さだけで業者を選ばないことだ。極端に安い業者は、整備を手抜きしていたり、必要な交換部品を見逃していたりする可能性がある。見積もりの金額だけでなく、整備内容の充実度、保証の有無、過去の利用者の評判なども総合的に判断して選ぶことが大切だ。バイクの車検は、安全にバイクライフを送るための大切なメンテナンス機会でもあるのだから。
バイクの車検費用を安くする方法のまとめ
ここまで紹介してきた5つの方法を、費用の節約効果とともに整理しておこう。
| 方法 | 節約効果 | 難易度 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| ユーザー車検 | 3万〜5万円の節約 | 高 | 整備スキルがある人、平日に時間が取れる人 |
| 事前の点検整備 | 5,000円〜2万円の節約 | 低〜中 | すべてのバイクオーナー |
| 消耗品の自己交換 | 1万5,000円〜2万円の節約 | 中 | 基本的な工具と知識がある人 |
| 車検代行サービス | 1万〜3万円の節約 | 低 | 整備は自分でできるが検査は任せたい人 |
| 複数業者の見積もり比較 | 1万〜3万円の節約 | 低 | 業者に依頼するすべての人 |
バイクの車検費用は、何も知らずにディーラーに任せると6万〜10万円かかることもある。しかし、法定費用の14,360円は変えられないとしても、それ以外の部分は自分の行動次第で大幅に削減できるのだ。
もっとも効果が大きいのは、やはりユーザー車検だ。法定費用だけで済むので、業者に頼む場合と比べて3万〜5万円の節約になる。ただし、整備スキルと平日の時間が必要なため、すべての人に向いているわけではない。
もっとも多くの人に実践しやすいのは、「事前の点検整備」と「複数業者の見積もり比較」の組み合わせだ。車検の1ヶ月前に自分でチェックリストを使って点検し、問題がある箇所を事前に安く修理しておく。そのうえで3社以上から見積もりを取り、コストと品質のバランスが良い業者を選ぶ。これだけで、ディーラーに丸投げする場合と比べて2万〜3万円は安くなるはずだ。
車検は2年ごとにやってくる定期的な出費だ。1回の車検で2万円節約できれば、10年間で10万円の差になる。その10万円があれば、ツーリングの旅費やカスタムパーツの購入に充てることだってできる。バイクの車検費用を賢く抑えて、浮いたお金でもっとバイクライフを楽しんでほしい。